無垢フローリングの床ってどんなメリットがあるの? 疑問やデメリットを解説します。

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これから家を建てる人なら、一度は「無垢フローリング」というワードを耳にしたことがあると思います。
無垢フローリングは天然の木材をそのまま使って作られた床材のことで、自然な肌触りや木材によって異なる色や風合いなどが楽しめる自然素材です。
自然素材住宅では欠かせない建材のひとつが無垢フローリングですが、天然の木材だけに種類や特徴も様々だったり、メンテナンスが必要だったりすることから、いざとなると悩んでしまうという方も少なくないと思います。
そこで今回の記事では、改めて無垢フローリングの特徴に触れながら、メリットやデメリット、お手入れについて詳しく解説します。

無垢フローリングとは?

無垢フローリングとは、天然木の丸太から切り出した木を、貼り合わせることなく1枚の板に加工した床材のことで、一般的に「無垢材」と呼ばれます。
天然木である無垢材は、建材になっても呼吸や変化を繰り返します。
つまり、無垢材は住まいというフィールドの中で生き続ける素材であり、環境の変化に対応して快適環境を守る自然素材だといえるでしょう。
無垢フローリングの代表的な特徴は次の通りで、特に自然素材住宅では積極的に無垢材が採用されています。

・ 自然な美しさがある
・ 高い耐久性
・ 経年変化
・ 再仕上げ可能
・ 環境に優しい

無垢フローリングと合板フローリングとの違い

床を覆うための材料や仕上げのことを総じて「フローリング」と呼びますが、「無垢フローリング」とよく似た床材に「合板フローリング」があります。
一般的に住宅業界で「フローリング」と謳う場合のほとんどが、この合板フローリングを指しています。

無垢フローリングが天然木から切り出した1枚の板であるのに対して、合板フローリングは、複数の薄い木材の層を互いに90度回転させて積層して接着(化学処理)を施すことで、強度や安定性を向上させています。
この中間層に、通常は高密度繊維板(HDF)または合板が使用されることから「合板フローリング」と呼ばれる場合もあります。

合板フローリングの表面層には天然木の薄い層が貼られていて、自然な木の風合いを再現しています。
表面には耐摩耗性の高いUV硬化塗料が施されている場合が多く、比較的耐久性があります。
ただし、あくまでも表面加工なので、天然木の1枚板である無垢フローリングほどの耐久性は期待できません。

無垢材の特徴を詳しく知ろう!メリットとデメリット

ここまでで、無垢材は合成しない天然の1枚板であることがわかりました。
その無垢材が持つメリットとデメリットについて、さらに詳しく見ていきましょう。

無垢材のメリット

木の質感を全身で感じられる

豊かな大地に根を張った天然木から切り出された無垢材は、自然素材の持つ温かみのある風合いや質感が最大の魅力です。
特に床は直に足に触れる部分でもり、本物の木の感触を味わえることは、無垢フローリングの醍醐味でもあります。
また、本物の無垢材を使った空間には、ほんのりと自然な木の香り「フィトンチッド」が放出されています。
フィトンチッドとは、虫や細菌から身を守るために、樹木が自ら作り出し発散している物質で、抗菌・殺菌・鎮痛などの作用が含まれています。
人間にも、血圧が下がり脈拍も落ち着くなど、自律神経を安定させる効果や、ストレスを緩和させるリラグゼーション効果があるといわれています。

時間経過によって味わいが増す

自然の樹木がそうであるように、無垢材も時間と共に変化します。
木材に含まれる成分には光を吸収・分解する性質があり、これによって無垢材の色は変化していきます。
色の変化には黄色味が増すもの、琥珀色になるもの、明るくなる、濃くなるなど、木の種類によって異なり、さまざまな変化を見せてくれることも魅力です。
また、木材そのものの油分などによって表面にツヤが出て、経年変化でしか見られない光沢になる木材もあります。
無垢材は、使い込むほどに色合いや質感が変化し、大切にお手入れを行うことで、どんどんと味わいが増していきます。

調湿作用があり快適に過ごしやすい

無垢材は天然木から作られているので、その構造上、湿度の変化に敏感に反応します。
特に、室内が低湿度のときには周囲の湿気を吸収し、高湿度のときには吸収した湿気を放出する能力があります。
この吸湿・放湿の特性により、室内の湿度を一定に保ちやすくなります。
室内の湿度が安定することで住まいの快適性が向上し、健康にも良い影響を与えると考えられます。
湿気によるカビの発生防止を助けるほか、空気の乾燥が原因となる皮膚の不快感を軽減する効果も期待できます。

断熱性が高く冬でも暖かい

天然木である無垢材は、熱伝導率が低いという特徴があります。
熱伝導率が低いということは、熱が温度の高い部分から低い部分へ伝わりにくく、無垢フローリングの場合は室内の暖かさを外に逃がしにくいということになります。
また、無垢材は木の繊維層の中に空気を多く含んでいることから、断熱効果も期待できます。
無垢フローリングの床を裸足で歩いても、体温が奪われにくく、ほんのり温かく感じるのはそのためです。

歩きやすく身体への負担が少ない

人にとっての「歩きやすさ」を考えたとき、床の素材は硬すぎず、柔らかすぎず、適度に衝撃を吸収し反発する“程よい硬さ”を持つことが条件で、これを満たしている素材の1つが木材です。
木材には構造上適度な弾力性があり、衝撃を吸収して時間をかけて反発するという能力を備えています。

体育館やダンスフロアに、無垢フローリングが使われているのはそのためです。
住宅の無垢フローリングでは、特にお年寄りや赤ちゃんなどの日常生活における足への負担を軽減します。

無垢材のデメリット

素材が変形することにより隙間・反り・割れが起こる

無垢材は天然の木材なので、絶えず変化し呼吸を繰り返しています。
そのため反りや膨張・収縮により隙間ができたり、割れが生じたりすることがあります。

使う木の種類や施工方法によっても差がありますが、木材の特性を理解した上で正しくメンテナンスを行えば、変化を最小限に抑えることができます。
無垢材に詳しく、施工技術はもちろん、自然素材との付き合い方をしっかりとサポートできる工務店や住宅メーカーを選ぶことで、充分に解消できる問題です。

へこみ・傷がつきやすい

人工の床に比べて、自然素材である無垢材は、物を落としたり鋭利な物と接触したりすることで、へこみや傷がつきやすいという弱点があります。

ただし、無垢材は再仕上げが可能な建材です。
小さなへこみや傷なら、DIYでも簡単に目立たなくすることができますし、工務店や住宅メーカーなど専門業者によって、全面的に修復することも可能です。

水濡れに弱い

無垢フローリングに水気は大敵と言われています。
長時間の水濡れは、表面のシミやフローリング材の膨張などの原因となりますので、速やかに拭き取る必要があります。

防止策として、浸透系のオイル塗装やワックスなどを塗る方法もありますが、日常生活で水によるシミができてしまった場合でも、DIYで目立たなくすることが可能です。
また、洗面所やキッチンなど水気の多い場所では、一部をマットなどでガードして、ヒノキなど水に強い木材を選ぶという方法もあります。

一般的なフローリングよりコストが高い

無垢材は、天然の木材を伐採した丸太から切り出し、成形するという緻密さが要求される工程を経て建材となるため、素材を貼り合わせて作る一般的な合板フローリング(複合フローリング)よりは高価になります。
また、施工についても技術を要することで、コストに影響する場合もあります。

短期的な視点で見れば、一般的なフローリングの方がリーズナブルに感じるかもしれませんが、耐久性があり適切なメンテナンスをして大事に使えば長く使える無垢フローリングの方が、コストパフォーマンスに優れている可能性もあります。
また、合板によるシックハウスやアレルギーなどの健康へのダメージを考慮すると、必ずしも「合板フローリングがお得」とは言えないかもしれません。
コスト面では、仕入れルートや工務店によっても違いがある事も知っておいてください。
友和ホームでは、坪単価65万円で家中全て無垢フローリングを使用しているため、一般的なフローリングの注文住宅と比較して「無垢だから高い」という印象を持たれるお客様はいらっしゃいません。

無垢フローリングに人気の樹種5選・特徴

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無垢材の種類には、オーク、チーク、ウォールナットなどの広葉樹とスギ、ヒノキ、パインなどの針葉樹があります。
一般的に内装材に用いる広葉樹は、重さや硬さがあり強度にも優れているので、傷が着きにくい材質が特徴です。
一方で、針葉樹は軽くて柔らかいため、歩行感や肌触りの良い反面、傷が目立ちやすいという特徴があります。
住宅の床材としては、耐久性とメンテナンス性の高さから広葉樹が使われることが多く、人気もあります。
友和ホームでは、広葉樹の中でも、色合いも明るく、どんなインテリアとも相性が良いカバやカバザクラ、オークを標準で使用しています。

広葉樹、針葉樹のそれぞれに多くの樹種があり、外観や性能にも違いがあるため、フローリングに用いられる木材の種類にも幅がありますが、ここでは住宅で人気の無垢フローリングをご紹介します。

ナラ(オーク)【広葉樹】

オーク材は、ブナ科の広葉樹で、その優れた特性と見た目の美しさから、世界でも広く利用されています。
ヨーロッパでは広葉樹を代表する樹木として「森の王」と呼ばれるオークは、保水力が高く森林を豊かに保つうえで重要な役割を果たす樹木です。

■ 外観
オークは独特の美しい木目が特徴で、広い板目や斑点(フレーク)が見られることがあり、これが自然な温かみと魅力を持つ外観を演出します。
色合いは、淡いベージュから深いブラウンまで様々で、年を重ねるごとに色が深まり、味わいが増します。

■ 性能
オークは非常に耐久性が高い木材で、長期間使用しても劣化しにくいことが特徴です。
硬度も高いため、摩耗や傷にも強く、重い家具や頻繁な歩行にも耐えます。

■ メンテナンス性
表面が硬く、耐久性があるため掃除が比較的簡単で、通常の掃除機やモップ掛けで十分です。

カバ・カバサクラ(バーチ)【広葉樹】

海外ではバーチ(birch)、国内ではカバ・サクラ材と呼ばれる木材ですが、桜(ソメイヨシノ)などとは違います。国内で多く流通しているカバ・サクラ材のフローリングの多くは中国、ロシア原産のカバ材がほとんどです。
加工性の良さや適度な硬さから日本でも床材として古くから使われています。柔らかな色味と木肌の滑らかさから人気の樹種と言えます。

■ 外観
カバの床材は細かくて均一な木目を持ち、シンプルで洗練された印象を与えます。
カバの色合いは、明るいクリーム色から淡い黄褐色までさまざまで、経年変化により温かみが増します。この明るい色調は、室内空間を明るくし、広がりを感じさせます。

■ 性能
カバ、カバザクラは中程度の耐久性を持ち、適切なメンテナンスを行えば長持ちします。家庭内の日常使用には十分な耐久性を提供します。
家庭内での日常的な使用に十分な強度があり、適度な弾力性も持ち合わせているので、歩行時の感触が快適です。

■ メンテナンス性
通常の掃除機やモップ掛けで簡単に清潔を保つことができます。
表面の仕上げが汚れを防ぎやすく、メンテナンスも比較的簡単です。

チーク【広葉樹】

チーク材のフローリングは、高級木材として世界でも有名で、広葉樹のフローリング材の中でもホテルや施設などラグジュアリーなシーンで人気です。
特に天然で育ったチーク材は希少性が高く高額で取引されますが、現在供給されているチーク材の多くは植林木が多く、天然木と比較すると安定供給が可能で価格的にも比較的リーズナブルです。

■ 外観
チークの木材は、直線的で均一な木目が特徴です。
独特の金色から濃い茶色の色合いが、時折見られる黒い縞模様と相まって高級感を演出します。
時間とともに豊かな黄金色から深いブラウンに変化して味わいを増し、魅力的なアンティーク風の外観になります。

■ 性能
家庭内での日常的な使用に十分な強度を持ち、適度な弾力性も持ち合わせているので、歩行時の感触が快適です。チークは非常に耐久性が高い木材で、屋内外問わず長期間使用でき、シロアリや腐朽菌に対する耐性も高く、湿度の高い環境でも腐りにくいことも特徴です。
また、チークは天然のオイル分を含んでおり、水や湿気に対する耐性が非常に高いので、バスルームやキッチン、さらには屋外デッキなど、水回りの使用にも適しています。
膨張や収縮が少ないチークは、温度や湿度の変化に左右されにくく、寸法安定性が高く、時間が経っても反りや割れが生じにくい無垢材でもあります。

■ メンテナンス性
チークの床材は、通常の掃除機やモップ掛けで簡単に清潔を保つことができます。
天然のオイル分が汚れを着きにくくし、メンテナンスも比較的簡単です。

アカシア【広葉樹】

アカシアは、ベトナムやマレーシアなどの東南アジアを中心とする亜熱帯地域原産の木材です。
アカシアの生産地は世界の様々な地域に分布しており、数百種類の品種があるとも言われています。
日本で流通するアカシア材は東南アジア原産の植林木が多く、性能と価格のバランスも良い持続可能な木材として注目されています。

■ 外観
アカシアの木材は非常に個性的で美しい木目を持ちます。
複雑で魅力的な模様が特徴で、色調の変化や濃淡が強調されたダイナミックな外観になります。
色合いは、明るい黄金色から深い赤褐色、さらには黒に近い色まで様々で、その多様性からさまざまなインテリアにマッチします。

■ 性能
アカシアは非常に耐久性のある木材で、家庭内での使用や重い家具の設置にも耐えることができます。
硬度も高いため摩耗や傷に強く、長期間美しい状態を保ちます。
また、アカシアは天然の耐水性を持ち、湿気や水分に対する耐性が高いことから、キッチンやバスルームなどの水回りでも使用できます。
寸法安定性も高く、温度や湿度の変化に対して安定しているので、反りや割れが生じにくいことも特徴です。

■ メンテナンス性
アカシアの床材は通常の掃除機やモップ掛けで簡単に清潔を保つことができます。
表面の仕上げが汚れを防ぎやすく、メンテナンスも比較的簡単です。

ウォールナット(クルミ)【広葉樹】

ウォールナットはクルミ科の樹木で、チークやマホガニーと並んで世界の銘木に数えられる貴重な樹種です。
緻密な木質を持ち、重厚でありながら加工性も良く、フローリング以外にも高級家具や楽器などにも多く使われていることでも有名です。

■ 外観
ウォールナットの木目は比較的直線的でありながらも、複雑で魅力的な模様が見られ、その豊かで独特の表情が魅力です。
色合いは、濃いチョコレートブラウンから紫がかった色調まで幅広く、経年変化によりさらに深みのある色に変化し、美しい色合いは高級感を演出します。

■ 性能
ウォールナットは非常に耐久性が高く、長期間にわたって美しい状態を保つことができます。
中程度の硬さを持ち、家庭内での日常使用にも耐える十分な強度を保ちます。
適度な弾力性を持っており、歩行時の感触が柔らかく快適で、長時間の立ち仕事や歩行による疲労感を軽減するのに役立ちます。

■ メンテナンス性
ウォールナットの床材は通常の掃除機やモップ掛けで簡単に清潔を保つことができます。
表面の仕上げが汚れを防ぎやすく、メンテナンスも比較的簡単です。

床材の選び方・失敗しないためのポイント

多くの種類がある無垢材ですが、家づくりの場面では、プランに合わせて工務店や住宅メーカーから選択肢が提示される場合がほとんどです。
その際には、カタログや写真だけで決めずに、必ず実物を見せてもらって色合いや感触を実感したり、施工例を確認し実際にはどんな雰囲気になるのか確認したりすることで、イメージとのギャップを避けることができます。
ここでは、実物で見るべきポイントや、価格の捉え方、木材の「グレード」についてなど、知っておくべき床材選びの知識をお伝えします。

色あい|内装・イメージに合うものを選ぶ

内装で、フローリングの占める面積は広いため、色合い選びはとても重要です。
インテリアのイメージに合うかどうか、実際のサンプルを手に取って確認しましょう。
スタイル別のおすすめのカラーは次の通りです。

■ ナチュラルスタイル
明るい色合い(オーク、メープルなど)や、中間色(バーチ、ビーチなど)が適しています。
自然で温かみのある空間が作れます。

■ モダンスタイル
ダークな色合い(ウォールナット、マホガニーなど)や、コントラストのある色合いがモダンな印象を与えます。

■ クラシックスタイル:
赤みがかった色合い(チェリー、マホガニーなど)や、深みのある色合いが重厚感と高級感を演出します。

木目柄|木の風合いと空間の雰囲気を合わせる

無垢材は、色合いもさることながら、木目によってその表情と醸し出す雰囲気も違ってきます。
木目柄について理解して、インテリアや家具にマッチ無垢フローリングを選びましょう。

■ 木目がはっきりした樹種
[オーク、クリ、ナラ、タモ、アッシュなど]
広葉樹の中でも天然木らしい、力強い木目を持った樹種です。
節の有無によって印象が違ってきますが、幅広いインテリアスタイルにマッチします。
中でもナチュラルなテイストには特に相性が良いといえるでしょう。

■ ほどよく木目が出ている樹種
[アメリカンブラックチェリー、チーク、ウォールナット、クルミなど]
ややおだやかな木目ですが、アメリカンブラックチェリーやウォールナット、チークなどは経年の変化が特徴的です。
素材本来の色味や特徴と合わせて、経年変化後の色合いもチェックしておくと良いでしょう。

■ おとなしい木目の樹種
[カバザクラ、バーチ、メープルなど]
広葉樹の中でも木目がおとなしい樹種です。
すっきりとした印象になりますが、柔らかめの色ムラや、「杢目」と呼ばれる絶妙の模様が、独特の表情を出します。
明るく見せたい空間、清潔感や開放感を持たせたい場所に最適です。

硬さ|傷への耐性、衝撃吸収性から用途を選ぶ

広葉樹か針葉樹かによって木の硬度や衝撃吸収性には違いがあります。

■ 針葉樹(常緑樹)から作られる床材(スギ、ヒノキ、マツ、パインなど)
一般的に柔らかく、硬度が低いため、傷が付きやすいという特徴があります。
しかし、その柔らかさが衝撃を吸収するため、歩行時に柔らかい感触を提供します。

■ 広葉樹(落葉樹)から作られる床材(オーク、メープル、ウォールナット、チェリー、バーチなど)
一般的に硬度が高いため、耐久性があり、傷が付きにくいという特徴があります。
生活における摩擦や、重い家具の設置にも耐えることができます。

暖かさ|熱伝導率の違いにより足で感じる暖かさが異なる

「無垢材のメリット」でもお伝えしたように、無垢の木材には熱を伝えにくい性質があります。
また、無機材は空気を含んでいるため断熱性能があります。
比較的、柔らかい針葉樹の方が「暖かさ」を感じやすいため、寒冷地では無垢フローリングに針葉樹を採用するケースが少なくありません。
しかし、広葉樹にも熱を伝えにくい性質や断熱性はあり、ビーニール性のクッションフロアやタイルのような冷たさを感じることはありません。

予算・価格|針葉樹は広葉樹よりも比較的安価な場合がある

針葉樹は一般的に広葉樹よりも成長が早く、供給が安定しているため安価で、コストを抑えたい場合に適しています。
一方で、広葉樹は成長が遅く、供給が限られるため、品質と美しさに対して高い価格が設定されることが多くなります。

もうひとつ、価格の違いで知っておきたい基準が「グレード」です。
広葉樹、針葉樹それぞれに、グレードという評価軸があり、これによって価格に差があります。
(グレードの表記の仕方は広葉樹と針葉樹で違いがあり、表記名もメーカーによって違いがあります。)
グレーディングの基準は、無垢材の表面に現れる節の大きさやミネラルステインの有無、辺材の混入の程度などで、性能には差はありません。
例えば、広葉樹の場合、1本の丸太から採れる、節やミネラルステイン、辺材(白太と呼ばれる木材の樹皮に近い部分)を含むことのない均一な色合いの無垢材は量が少ないため、高いグレードで価格も高くなります。
節や色の違いなども無垢材の個性や味わいだと捉えれば、グレードが低くても性能は同じで価格の安い無垢フローリングを使う選択肢も生まれてきます。

無垢材フローリングのお手入れ方法・メンテナス・注意点

最適なメンテナンスを行うことで、無垢材の快適な質感や肌触りを保つことができます。
また、無垢材の特徴である経年変化も、より美しく個性として長く楽しむことができるでしょう。

フローリングと聞くと、お手入れが大変だとイメージされる方が多いようですが、日常のお手入れは普段の掃除程度で十分です。
無垢材の取り扱いポイントを抑えて、自然素材と上手に付き合いましょう。

日常のお手入れ

無垢床材の日常のお手入れ方法は、床材の種類や仕上げによって微妙に異なることがありますが、一般的なものは次の通りです。

1. 掃除
毎日または必要に応じて掃除機や柔らかいブラシで床の表面のほこりやゴミを取り除きます。
砂や小さな砂利は床材の表面を傷つけることがあるので、定期的な掃除が重要です。
床が汚れた場合は、乾いた布やマイクロファイバーモップで軽く拭きます。
この際に、水拭きは避けましょう。

2. 汚れの処理
汚れがひどく付着している場合は、やや湿らせた布で拭き取ります。
ただし、床材の仕上げによっては、水分が長時間床に留まることがないように注意が必要です。
また、床材に合わせた専用のクリーナーを使用することもできます。
メーカーや販売店から推奨されているクリーナーを選びましょう。

3. 特殊なケア
家具の脚には保護用のフェルトパッドなどを取り付けて、床材を傷つけないようにします。
また、ドアの入口や家具の下にマットやラグを敷くことで、床材の保護に役立ちます。
ただし、染みの発生や湿気の滞留にならないよう、敷きっぱなしにしないなどの工夫をしてください。

4. 注意点したいこと
・ 水を使わない
無垢床材は木材そのものなので、水を多量に使ったり、水が床に浸透したりすることを避けましょう。
水分が長時間床に留まると、木材が膨張し、変形や表面の損傷の原因になります。
・ 強い化学物質を使わない
床材の仕上げを傷つける可能性があるため、強い化学物質を含むクリーナーや漂白剤などの使用は止めましょう。

こんな時どうする?「水・液体をこぼした!」

無垢の床材に水や液体をこぼした際は、素早く均一に拭き取り、完全に乾かす(必要があれば乾拭きする)ようにしてください。
万が一、水が浸透してしまった場合や床にダメージが残った場合は、専門家に相談することを検討してください。

こんな時どうする?「床にへこみができた!」

小さなへこみの場合はへこんだ部分に濡れた布やタオルを乗せ、軽く湿らせます。
その後、アイロンを布の上から使ってへこみを温め、木材を膨張させます。
これにより、へこみが浮き上がることがあります。
へこみが浮き上がったら、乾いた布で床面を拭き取ります。
その後、部屋を十分に換気して乾燥させます。
水分を残したまま放置すると、床材が変形するおそれがありますので注意してください。
※この手順を実行する際には、床材の特性や仕上げ方法に応じて慎重に行ってください
へこみが大きい場合や、自力での修復が難しい場合は、施工した工務店や床材の専門家に相談することをお勧めします。

こんな時どうする?「床板が反ってきた!」

床材が反る主な原因としては、湿度の変化や床下の湿気などが考えられます。
床材が反った場合、まずは室内の湿度を確認し、湿度が高い場合は除湿器を使って湿度を下げることが効果的です。
逆に湿度が低すぎる場合は加湿器を使用して湿度を上げます。
無垢の木にとって最適な湿度は40~50%前後で、適切な湿度に保つことで、反りが解消します。

反った部分が小さい場合は、以下の方法で対処します。

・ 重しを置く
反りが出ている部分に重しを置いて、床材を平らに戻します。重しを置く前に、表面に布をかけて床材を保護することを忘れないでください。

・ 湿った布での加湿
反った部分に湿った布やタオルを置いてしばらく置くことで、床材を湿らせて反りを矯正することができる場合があります。
その後、重しを置いて乾燥させます。

反りが大きい場合や、自力での対処が難しい場合は、施工した工務店や床材の専門家に相談することをお勧めします。

定期メンテナス(6ヵ月~1年が目安)

日常のお手入れのほかに、無垢フローリングの定期メンテナンスは、半年から1年ごとを目安として、フローリングの艶や状態を見極めて行います。
メンテナンスの方法は、無垢材の種類よりも表面の塗装の種類を確認することが重要です。
塗装のタイプ別に、塗装の特徴やメンテナンス方法について見ていきましょう。

ウレタン塗装/UV塗装の無垢フローリング

ウレタン樹脂の塗膜を硬化させて塗装する木質フローリング材の多くに施される最も代表的な塗装で、ウレタン樹脂を硬化させる際に紫外線を照射させることからUVウレタン塗装と呼ばれることもあります。
定期メンテナンスで、艶だしを目的としたフロアーワックス等を使う場合は、ウレタン塗装専用のワックスで事前に試し塗りを行い、艶感を確認した方が良いでしょう。

自然塗装/オイル塗装の無垢フローリング

天然由来の油分や蜜ろうなどを原材料とした浸透系の塗装を使った塗装を「自然塗装」や「オイル塗装」といいます。
ウレタン塗装が樹脂による塗膜を形成するのに対して、自然塗装は油分を無垢フローリング材に浸透させることで水気や汚れから表面を保護します。
浸透系の自然塗装を施した無垢フローリング材のメンテナンスは、表面の自然な艶感がなくなってきたら自然塗装専用のワックスやオイルを塗布することで、自然な艶感と保護性能がよみがえります。

無垢フローリングの床で気をつけたい注意点

日常のお手入れの項でも少し触れましたが、無垢フローリングは水に弱い建材です。
含水率が25%を超えると腐朽菌が育成し始め、湿った木にはシロアリやダニが発生しやすくなります。
極端に湿気の多い場所、常時湿っている場所での使用は避けるようにしましょう。
水や液体がこぼれた場合には、すぐに拭き取って乾燥させるようにします。

無垢フローリング採用事例

ここでは、自然素材住宅にける無垢フローリングの採用事例をご紹介します。

遊び心のある家の無垢フローリング

インディゴのような藍色のキッチンと気品あるグレーブルーをあしらったリビングが人目を引く分譲住宅です。
この物件では、樺桜の無垢フローリングを使用しました。

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爽やかなブルーと白のコントラストが美しい自然素材の家の無垢フローリング

大きな窓から自然光がたっぷりと入る明るいリビング、白と青の2トーンでまとめたシンプルモダンな自然素材の家です。
この物件では、白樺の無垢フローリングを使用しました。

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アンティークな雰囲気を感じる自然素材の家の無垢フローリング

無垢材を床以外にも天井や腰壁にもふんだんに使った自然素材の建売住宅です。
アンティーク調の照明が印象的な無垢フローリングのリビングルームは腰板も無垢材を使用しています。
この物件では、樺桜の無垢フローリングを使用しました。

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住みやすさにこだわった友和ホームの自然素材住宅では、リビングルームはもちろん、廊下や洗面所、クローゼットなど居室以外の床も全て無垢フローリングが標準仕様です。
天然無垢材の圧倒的な高級感と、経年変化が家全体で存分に楽しめる自然素材住宅を、友和ホームでは坪単価65万でご提供しています。
贅沢に無垢材使った自然素材住宅は、長年にわたり珪藻土と無垢フローリングと向き合って来た弊社の自信作です。
是非お気軽にお問い合わせください。

まとめ
● 無垢フローリングとは、天然木の丸太から切り出した1枚板の床材である
● 合板フローリングは、複数の薄い木材の層を積層して接着した床材である。
● 無垢材のメリットには、自然の風合いや経年変化の美しさの他に断熱性や耐衝撃性、耐久性の高さがある。
● 無垢材のデメリットは、価格が高く傷やへこみが付きやすく水に弱い点ではあるが、お手入れでカバーできる。
● 無垢フローリングには、針葉樹と広葉樹があり、針葉樹は広葉樹より価格が安い。
● 無垢フローリングを選ぶときは、実物を目で見て触るなどしてイメージを実感する。
● 無垢フローリングを選ぶときは、インテリアや、性能、価格など、ポイントを絞ると良い。
● 無垢フローリングの日常のお手入れは通常の掃除で、水拭きは行わない。
● 無垢フローリングのメンテナンスは、表面仕上げによってその方法が異なる。
 
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